イケメン息子とぐうたら猫の成長見守りブログ

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認可保育所の育休明け予約は待機児童の根本解消にはならない

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皆様、こんにちは。

認可保育園の入園予約に関するニュースが8/24に出ました。既にいくつかの区では取り入れられているようですが、果たしてどういった制度でどんな効果があるのかがわかりにくかったので自分なりに考えてみました。

 

認可保育所の入園予約制とは

headlines.yahoo.co.jp

要旨を引用させていただくと、以下です。

待機児童の解消に向け、厚生労働省は認可保育施設などの「入園予約制」の導入を促す方針を決めた。事前に予約して1歳で入園できるようにすることで、それまでの間は育児休業をとりやすくする。
(中略)
入園予約制は自治体の認可保育施設などで子どもが1歳になった時に入園できる仕組み。あらかじめ予約の枠を確保しておくことで、年度途中からでも入園が可能になる。東京都品川区などが先駆的に実施しており、厚労省は今後、こうした自治体の取り組みを踏まえて詳細を詰める。

確かに予約できるのは嬉しいですね。ただ、気になるのが「待機児童の解消に向け」と書いてあるところ。

果たしてこの予約制というものは本当に待機児童の解消になるのでしょうか。

 

何に有効なのか?

待機児童解消?

まずは待機児童の解消という観点から考えてみます。事前に予約すると待機児童の解消になるのか?それは、結局受け入れ側のキャパが変わらない場合には何の解決にもならないのではないでしょうか。

予約ということは、普通に考えて既存の枠をそちらに回すということですから、例えば100人枠があった部分の50人を予約にすると、残りの50人枠は予約が取れなかった人で今までの倍の激戦となりますので、何も変わりません。

 

早生まれの無理ゲー解消?

ポイントは、「年度途中からの入園が可能になる」というところですね。今までは4月に一斉入園でしたから、これは早生まれが不利と言われている現状の対策になるのでは?

と思いましたが、実は早生まれが不利になると言われているのは0歳児入園の抽選が受けられない(月齢の関係で4月に入園できない)ことが理由なので、1歳児入園に対しては特に影響はないと思われます。

 

抽選回数が増えるから得?

予約枠は一部ですので、予約枠で申し込んで、ダメなら通常枠で申し込んで、抽選回数が2回になるからお得じゃないか!ということですね。

果たしてそうなのか、例えば先ほどの例と同じで、100人枠を予約50、通常50に分解し、200人が申し込む場合を考えます。

①予約枠がない場合

この場合は100人枠を200人枠で争うので単純に50%の確率ですね。簡単です。

②予約枠に漏れたら通常枠に申し込む場合

この場合はまず予約の50人枠に200人が申し込むので、通る確率は25%。漏れてしまった場合は通常の50人枠に漏れた150人が申し込むので、ここだけ見ると通る確率は33%。

2回目の抽選は、最初の抽選で漏れた75%中の33%が通るので、全体でみると25%

最初の25%+2回目の25%で結局50%ですが、まぁ枠が一緒なので一緒ってことは感覚的にすぐわかりますね。

抽選回数が増えても確率が低ければ変わりません。但しこの場合は選考基準が一定である、全員が予約に申し込むという前提であるので、ここが違うのであれば多少変わるかもしれません。

 

保育士の配置変更による枠の拡大?

0歳児と1歳児では保育士の配置基準が異なります。国の基準では0歳児は3人に1人、1歳では6人に1人の保育士が必要と定められているようです。

この予約制度によって0歳児枠を少なくすることによって、保育士の数が一緒でも園児の数を増やせるのではということが期待されています。

ただ、これも結局枠が一定である限りは予約枠から漏れた人が0歳児入園希望を出すでしょうから、単純に0歳枠を削減することは無理なのではと思います。

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それでは何のため?

計画的な保活と育児休暇

この制度で予約ができた場合は育児休暇を計画的に取得することができます。今までは入園ができる場合でも直前まで結果がわかりませんでしたから、早く結果がわかることはいいことだと思います。ですので、予約ができた場合は大きなメリットとなります。

先行で取り入れている品川区ではプラチナチケット化しているようですが、徐々に拡大していけばいいですね。園側の対応は大変になりそうですけども。

 

0歳児入園希望と1歳児入園希望の需要把握

これまでの制度では0歳児入園希望者が本当に0歳児入園を希望しているのか、1歳児入園が激戦のために仕方なく枠が取れそうな0歳児入園を希望しているのか、その区別がつきませんでした

この予約制度を導入すれば、1歳児入園を希望している人がどのくらいいるか把握でき、それがわかることでまた何らかの有効な制度を導入できる可能性があると考えます。

 

待機児童解消のためではなく、まずは解消するための基盤

0歳1歳の需要把握にも繋がりますが、もし予約制度がないまま待機児童が解消に向かうとすれば、その過程では、保険として0歳入園を希望する人が多くなるのではないでしょうか。

そうなるとどうしても保育士が多く必要になってしまうので、予め殆どの人が1歳児入園を予約できることで待機状態を解除できれば、0歳入園希望が減って保育士を効率的に配置することができます

 

目的をはっきり示して欲しい

参照記事のように、「待機児童の解消」ということを先頭に持ってきてしまうとどうしてもそういった目で見てしまいますが、保育園の枠自体を広げずに小手先で色々やっても根本的な解決にならないことは保活を知っている皆さんであればだいたいわかると思います。

もし「風が吹けば桶屋が儲かる」的な施策だとすれば、なぜ桶屋が儲かるかに触れられていないと、せっかく色々と考えて打ち出した施策なのに逆にヘイトを溜めてしまう原因になってしまうかもしれません。

そのくらい待機児童問題というのは敏感な状況になっているのではないかと私は思います。

 

まとめ

認可保育園の入園予約制がこれから各地で導入されるだろうという記事を見て、個人的には直接的な待機児童の解消施策というよりは、待機児童を解消するためにまずやらなければいけないこと、解消した後に効いてくること、というように理解しました。

他の方がこのニュースを見てどういった印象を持たれているか、とても気になります。もし新しい情報があれば更新したいと思います。

 

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最後までご覧いただきありがとうございます。

んだば、まだ。