皆様、こんにちは。
今年の甲子園はリオオリンピックと重なって話題が少なく感じますが、やっぱり地元の試合は気になって見てしまいます。
そんな中、8/14に行われた第3試合(八戸学院光星[青森] - 東邦[愛知])で劇的なサヨナラがありましたが、ご覧になったでしょうか。
なんと9回裏に一挙5点で東邦が勝つという、漫画でもそうそうなさそうな試合展開。
ちなみに私は青森県民、さらに言うと負けた方の光星高校がある八戸市民なわけですが、この試合を見て今更ながら越境入学について思い出したので少しそのことについて書いてみたいと思います。
9回裏の異様な雰囲気
この試合を見ていた人ならおわかりになると思うんですが、9回裏の観客の雰囲気が普通とは違いました。それは、甲子園中が東邦の応援で一体化していたということです。
拍手というか手拍子が甲子園全体を包み込み、光星は一気にアウェーとなり、その雰囲気のまま逆転されてサヨナラ負けとなりました。
そこで思い出したのは、越境入学問題。ご存知の方も多いとは思いますが、青森県で野球の強豪で知られる青森山田高校と八戸学院光星は、他県からの入学者、いわゆる越境入学の多い高校として有名なのです。そして今回の光星は、ベンチ含めて青森県民は1人しかいません。
真偽は不明ですが、事前にこんなことがあったと話題になりました。https://twitter.com/midomido831/status/745860682290204672
※安藤は唯一青森県出身の投手、ですが正直信憑性は怪しい
8/15追記
本ブログ執筆翌日に以下の記事が出ました。
高校野球・八戸学院光星、陰湿ないじめ発覚?部員の母親がツイッターで暴露
http://tanteiwatch.com/57420
追記終わり
私の被害妄想なのかもしれませんが、今回の9回裏の甲子園の一体感は、越境入学でヒール役となった八戸学院光星を負かしてやろうという気持ちも裏に含まれていたような気がして仕方ありませんでした。
まぁ、人はドラマを求めますし、通常逆境の状況を応援したくなるのが心情ですからそれほど特殊なことではないのかもしれませんが、とにかく選手が気の毒になるほど全体が東邦一色でしたので。
越境入学の良い点
ここからは私なりに越境入学の賛成意見について思うところを挙げていきたいと思います。この辺りは結構議論されつくしていると思いますのでなるべく簡潔に。
わざわざ親元を離れて3年間頑張っているという点
まだ10代半ばである高校生がわざわざ遠くから3年間、地元を離れて頑張っていること。例え地元で生まれ育っていないとしても、これは地元の代表として応援するに充分であると言えます。
地元の野球レベルの引き上げ
例えばサッカーで言うとブラジルに留学に行くのと同じように、強い選手と一緒に練習や試合をすることで地元の野球が活性化し、結果的に地元の選手の能力が底上げされるという良い影響が期待されます。
越境入学は野球留学とも言われていますしね。
単純に勝つということの面白さ
野球レベルの引き上げと似たようなところですが、当然ながら勝つことは負けることよりも気持ちいいです。
実際、この問題が取り上げられる前と後の青森県の夏の甲子園成績を見ると一目瞭然です。
【60回(昭和53年)から80回(平成10年)】
- 1回戦:15回
- 2回戦:4回(1勝)
- 3回戦:2回(2勝)
- ベスト8以上:0回
【81回(平成11年)から97回(平成27年)】
- 1回戦:1回
- 2回戦:5回(3勝)
- 3回戦:4回(7勝)
- ベスト8:4回
- ベスト4:1回
- 準優勝:2回
参考:青森・全成績
もう、もはや別の県と言ってもおかしくないくらいの変わりよう(笑)
確かに私が中学生くらいまでの青森県の甲子園と言ったら、「はいはいどうせまた負けるんでしょ、1回勝てばラッキー」くらいのイメージでしたからね。第80回なんて、杉内投手にノーヒットノーランを食らって負けていますし。
それがいきなりベスト8常連校になるわけですから、そりゃ気持ちいいでしょう。まさに強さは正義!といったところでしょうか。
越境入学の悪い点
同様に悪い点としてよく挙げられることは以下のとおりです。
地元民ではない、東北県民でもない
青森県代表の表現になってしまっていますがご了承ください。良い点として、親元を離れてという部分を挙げましたが、やはり甲子園というものは県の代表が試合をするというものですから、そうなるとどうしても地元で生まれ育っていない点は感情的に切り離すのは難しいです。
光星や青森山田は一時期「大阪第2代表」とも言われるくらい大阪出身者が多く、監督から選手まで軒並み大阪出身者だったことがあります。
勝った時のインタビューが関西弁なんてことが良く見られる光景でした。さすがに青森県代表チームが関西弁で喋るのは違和感を覚えます。
不祥事があった際の風当たりの強さ
2011年のことでだいぶ古いこともあってソースが微妙ですが、光星の選手が飲酒や賭博などで問題を起こしたことがあります。
そして青森山田高校もソースは出しませんがそれ以上に大変なことが起こっています。
正直これを越境入学の特徴として入れてしまうのはどうかとは思いますが、普段から違和感を覚えている人が多い中で、何か不祥事が起こると余計に悪い意味で注目されてしまいます。
他の県代表もこうである、という意味ではありませんけどね。
地元民の私の思い
ここからは完全な私の意見になりますが、地元青森県八戸出身として、青森県代表高校が甲子園で勝ち進むことはメチャクチャ嬉しく、当初は応援していました。Facebookでは地元の友達が多いのと実名を使っていることもあるせいか、越境入学のどこが悪いかわからないと、全面的に支持している意見もいくつか見られました。
ただ、実は八戸学院光星(当時は光星学院高校)は昔から地元でも評判が良くない高校であることは事実としてありました。もちろん学校の偏差値の低さという意味でもそうですし、素行が悪い学生が多く、正直高校時代は関わりを持ちたくない学校でした。
そこで、2011年の不祥事です。元々の評判を知っていた私は、やはりそうかという想いとともに、越境してきて不祥事で問題を起こすくらいなら応援したくないという気持ちになってしまいました。たかが飲酒、誰でもやっているだろうと思う人もいるかもしれませんが、ルールはルールです。
いくら地元の野球レベルに貢献してくれていると言っても、ルールを破るくらいなら不要です。それなら地元民が出て1回戦で負けた方がマシです。
それからしばらくして2013年、弘前聖愛高校という、全員青森県出身で構成された高校が甲子園に出場しました。
その時の結果の中での主将の一言が特に印象に残っています。
主将で3番の一戸がバットで引っ張った。1―0の4回。先頭で内角高めの直球を、腕を畳んで振り抜くと、打球はバックスクリーン右へ。「夢舞台で打てて一生の思い出です」と笑った。6回にも1死三塁から左前適時打を放ち、2安打2打点の活躍。「青森県人だけで勝てて歴史に名が残った」と胸を張った。
出典:弘前聖愛りんごっ子1勝“起こすべ!津軽旋風” ― スポニチ Sponichi Annex 野球より、装飾は私が施しました。
やっぱり、当人たちも気にしますよね、そりゃ。
地元民が0人と全員地元民のチームがあったら、どうしても全員地元民のチームを応援したくなるものです。
ということで、私は現在は越境入学、野球留学に否定的な立場です。地元民頑張れ!という思いがとても強いです。
まとめ
八戸学院光星[青森] - 東邦[愛知]の9回裏、甲子園が一体となった東邦への応援の裏に、光星に対する越境入学への否定の想いをどうしても感じざるを得ませんでした。
地元でその高校のことをよく知り、更に2011年の部員の不祥事から、私は越境入学へは否定的な立場です。
ですが、結局私の地元は青森県。それを変えることはできません。甲子園に青森代表が出ていたらその高校を応援するしかありません。
越境入学してくる高校生にここまで望むのは酷なのかもしれませんが、野球で入学してくるからにはしっかり野球に打ち込んで、生活態度を含めて地元の人に受け入れられるように日々を過ごしてほしいと思います。
きっとこのブログを高校生やその関係者が見ることはないでしょうけど(笑)
そしていつの日か野球ファンとして、青森県民として、他県からの流入が多い高校でも心から応援できるようになりたいと願っています。
皆さんは越境入学についてどう思われるでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
んだば、まだ。